みなさんはMinecraftで遊んだことがあると思います。そして、凄い構造物を建てたり、巧妙なトラップを設計したり、レッドストーンのスイッチで制御された精巧なトロッコの路線を作ったりしたことがあるかもしれません。しかし、Minecraftでパフォーマンスをしたことがある人はどのくらい居るでしょうか? Minecraftを使ってまさにプロフェッショナルなVJのように凄いビジュアルを作れることを知っている人は少ないと思います。
あなたにとって、Minecraftを操作する唯一の方法がマウスだったら、十分に速くそれを実行できるようになるまで苦労するに違いありません。幸運にも、あなたの持っているRaspberry Piには、コードで制御可能なMinecraftが搭載されています。そして、Raspberry Piには、Sonic Piというアプリケーションも搭載されていて、ただ簡単なだけでなく、信じられないほど楽しくMinecraftをコーディングすることが可能です。
今回の記事では、我々が世界中のクラブやホールでパフォーマンスしたヒントとコツをお教えしたいと思います。
では始めましょう…
基本を習得するために、ウォームアップの練習から始めましょう。最初にRaspberry Piを起動し、続いてMinecraftとSonic Piの両方を起動してください。Minecraftでは、新しいワールドを作成し、Sonic Piでは新しいBufferを選択して、以下のコードを書いてください。
mc_message "Let's get started..."
Run
ボタンを叩いて、Minecraftのウィンドウ内にメッセージを見ることができたでしょう。大丈夫ですね。では準備ができました。楽しんでください……
Minecraftを使ってビジュアルを生成する際に、どのようなものが見た目が面白そうで、またコードから生成するのに簡単なのか試行錯誤しました。良さそうなテクニックの1つは、砂のブロックを空から落として砂嵐を作るというものです。これを実現するのに必要なものは、以下の基本的な関数です。
sleep
- アクションの間の遅延を挿入するのに使いますmc_location
- 現在の位置を取得するのに使いますmc_set_block
- 砂のブロックを指定した位置に設置するのに使いますrrand
- ある範囲の乱数を生成するのに使いますlive_loop
- 砂嵐が起こったままにするのに使いますもしあなたがrrand
といったSonic Piが内蔵する関数に親しくなかったら、その関数名をBufferにタイプし、クリックして選択した後、Control-i
のキーの組合せを叩いて、内蔵のドキュメントを開いてみてください。あるいは、ヘルプシステムの命令タブを開いて、他にも面白そうな項目がある中から、対象の関数名を直接探すこともできます。
砂嵐のフルパワーを開放する前に少し砂を降らせてみましょう。現在の位置を取得し、近くの空中にいくつか砂のブロックを作ってください。
x, y, z = mc_location
mc_set_block :sand, x, y + 20, z + 5
sleep 2
mc_set_block :sand, x, y + 20, z + 6
sleep 2
mc_set_block :sand, x, y + 20, z + 7
sleep 2
mc_set_block :sand, x, y + 20, z + 8
Run
を叩いたとき、辺りを見回す必要があるかもしれません。プレイヤーがどの方向を向いているかにもよりますが、プレイヤーの後ろに砂が降っているかもしれません。でも心配しないでください。砂が降るのを見逃したとしても、Run
をもう一度叩いて砂を降らせて、プレイヤーが正しい方向を向くようにすればよいのです!
では上のコードで何が起きているか手短に見ていきましょう。1行目では、mc_location
関数を使って、プレイヤーの位置を座標として取得し、x
, y
, z
に設定しています。次の数行では、mc_set_block
関数を使って、プレイヤーの座標から少し変更を加えたところに砂を置いています。x座標は同じで、y座標は20ブロック高く、z座標は順に大きくして、プレイヤーからまっすぐ離れるように砂を落としています。
このコードであなた自身で遊んでみてはどうでしょう。コードを追加したり、sleepの時間を変更したり、:sandと
:gravel`を組合せたり、違う座標を選んでみたりしましょう。色々実験して楽しんでみてください!
では、live_loop
のフルパワーを解放して、嵐を激しくする時が来ました。live_loop
はライブコーディングのフルパワーを開放するSonic Piの特別な機能で、コードを実行したまま変更できてしまうのです!
live_loop :sand_storm do
x, y, z = mc_location
xd = rrand(-10, 10)
zd = rrand(-10, 10)
co = rrand(70, 130)
synth :cnoise, attack: 0, release: 0.125, cutoff: co
mc_set_block :sand, x + xd, y+20, z+zd
sleep 0.125
end
なんと楽しいのでしょう! このコードは、とても速く(毎秒8回)ループしていて、それぞれのループではプレイヤーの位置を前と同じように取得していますが、次の3つのランダムな値を生成しています。
xd
- x座標の差で、-10と10の間の値を取りますzd
- z座標の差で、同じく-10と10の間の値を取りますco
- ローパスフィルタのカットオフの値で、70と130の間の値を取りますそしてこれらのランダムな値をsynth
とmc_set_block
関数で使用して、砂をプレイヤーの周りのランダムな位置に落とし、それに合わせて:cnoise
シンセでパーカッシブな雨のような音を鳴らしています。
ライブループに慣れていない人にお話すると、ここからがSonic Piで本当に面白くなるところです。コードが実行されていて砂が吹き出している最中に、コード内のどれかの値、たとえばsleepの時間を0.25
に変えたり、ブロックタイプを:sand
から:gravel
に変えてみてみましょう。そしてRun
をもう一度叩いてみてください。あら不思議! コードが止まらずに変更されました。これが、本物のVJと同じようにパフォーマンスする入り口です。練習してコードを変更し続けてください。あなたはコードを止めずにどれだけビジュアルを変えることができるかな?
最後に、興味深いビジュアルを生成するためのもう1つの素晴らしい方法は、巨大な模様付きの壁を生成して、そこを行き来することです。この効果のためには、ブロックをランダムに配置することから、規則的に配置することに移る必要があります。これを行うには、2つのイテレーション(反復)を入れ子にします(イテレーションの詳細については、ヘルプボタンをクリックして、チュートリアルのセクション5.2”イテレーション(反復)とループ”に移動してください)。doの後の面白い | xd |
は、イテレーションの各値に対してxd
が設定されることを意味します。 したがって、最初は0, 1, 2…などとなります。このように2回のイテレーションを入れ子にすることで、すべての座標を正方形に生成することができます。また、ブロックのリングからブロックタイプをランダムに選択して、興味深い効果を得ることもできます。
x, y, z = mc_location
bs = (ring :gold, :diamond, :glass)
10.times do |xd|
10.times do |yd|
mc_set_block bs.choose, x + xd, y + yd, z
end
end
かなりかっこいいね。このコードで楽しんでいる最中に、bs.choose
をbs.tick
に変更して、ランダムなパターンからより規則的なものにしてみましょう。ブロックタイプの変更やより冒険的な変更は、live_loop
の中でやってみましょう。そうすればパターンは自動的に変更し続けるでしょう。
では、VJの最後に2つの10.times
を100.times
に変更してRun
を叩いてみましょう。Kaboom! ランダムに配置されたレンガの巨大な巨大な壁。あなたがマウスで手動で構築するのにどれくらいの時間がかかるか想像してみてください! スペースをダブルタップして飛行モードに入り、素晴らしいビジュアルエフェクトを得るために降下してみましょう。しかしここで止まらないでください。あなたの想像力を使ってクールなアイデアを思いついたら、Sonic Piのコーディングの力でそれを形にしましょう。十分に練習したら、明かりを暗くし、友達のためにVJショーを始めましょう!