Sonic Piは、コーディング環境であると同時に楽器でもあります。したがって、あなたが観客の前でライブ演奏している場合は特に、ショートカットを使うことで、はるかに効率的で自然にSonic Piの演奏を行うことができます。
Sonic Piの多くの機能は、キーボードを介して制御することができます。Sonic Piの演奏や作業により慣れるために、ショートカットをもっと使いこなしましょう。私個人はブラインドタッチができ(あなたにも習得をお勧めします)、マウスを使う必要があるときにはいつも、動作が遅れるのでイライラしてしまいます。このため、私は普段からこれらのショートカットのすべてを使っています!
ショートカットを学べば、効果的にキーボードを使用でき、すぐにプロのようなライブコーディングができるようになるでしょう。
しかし、一度にすべてを憶えようとしないで、最初はあなたが最も使うものを試しながら憶えていき、その後継続して他のショートカットを追加していくと良いでしょう。
クラリネットを習っているところを想像してみてください。すべてのクラリネットは、指使いや操作の全てが一貫してしていることを前提として作られていますが、もしそうでなかったら、別のクラリネットに乗り換えるには大変な時間を費やしてしまうだろうし、1回だけの制作のためにそれを使用することについて戸惑ってしまうでしょう。
残念なことに3つの主要なオペレーティングシステム(Linux、Mac OS XおよびWindows)では、カット&ペーストなどの操作のために独自の基準が用意されています。Sonic Piは、これらの基準を尊重します。しかしながら、Sonic Piでは、プラットフォームの基準に対応することよりも、プラットフォーム間での一貫性を優先しています。これはRaspberry PiでSonic Piを演奏してショートカットを学んだら、MacやPCに乗り換えても違和感無く同じように操作できることを意味しています。
一貫性への考え方のひとつにショートカットの命名があります。Sonic Piにおいて、主要な2つの組み合わせキーを当てはめるために、ControlキーとMetaキーを用います。すべてのプラットフォームでは、Controlキーは同じです。しかし、LinuxとWindowsでは、実際のMetaキーはAltキーで、MacのMetaキーはコマンド⌘キーです。一貫性のために、Metaキーという言葉を使いますが、あなたのオペレーティングシステムにおける適切なキーに置き換えるようにしてください。
シンプルで読みやすくするために、Ctrlキー+その他のキーは「C-」、Metaキー+その他のキーは「M-」の略語を使います。例えば、あるショートカットがMetaキーと’r’を同時に押さえる必要がある場合、「M-r」と表記します。そして、-は、”同時に押さえる”を意味しています。
以下は、僕が見つけたとっても有用なショートカットのいくつかです。
マウスを使う代わりに、M-r
でコードを実行することができます。同様に、M-s
でコードを停止することができます。
ナビゲーションのショートカットを使わない操作は実にもどかしいです。そのため、ショートカットを学ぶことに時間を費やすことを強くお勧めします。ブラインドタッチを習得すれば、マウスやキーボードの矢印キーに手を移動させる必要が無くなるので、これらのショートカットをさらに有効に活用することができます。
行の先頭に移動するにはC-a
、行の末尾に移動するにはC-e
、1行上はC-p
、1行下がるにはC-n
、1文字進むにはC-f
、そして、1文字戻るにはC-b
。C-k
でカーソルから行の末尾まで全ての文字を消去する事ができます。
コードを自動整形するにはM-m
を押します。
ヘルプシステムを切り替えるには、M-i
を押します。しかし、何かを見つける場合、もっとはるかに便利なショートカットは、カーソル下の単語検索し、ドキュメントを表示するC-i
です。簡単でしょう!
完全なリストについては、セクション10.2ショートカット一覧表を見てみましょう。