ライブコーディング練習の8つのヒント

先月は、ライブコーディングをマスターするための5つの重要なテクニックを見ました。言い換えると、楽器と同じようなやり方でコードに接するために、どのようにSonic Piを使うことができるか探求しました。そして、我々が議論した重要なコンセプトの1つに、練習がありました。今月は、なぜライブコーディングの練習が重要で、それをどのように始めるかについて、理解を深めて行きたいと思います。

定期的に練習しよう

最も重要なアドバイスとしては、必ず定期的に練習することです。私自身は1日1-2時間練習するようにしていますが、最初は20分でもよいでしょう。少しの時間でも頻繁に練習することを目標にしましょう。もし10分しか捻出できなかったとしても、良いスタートになります。

練習のヒント #1 - 練習ルーチンを開発する。あなたにとって都合の良い時間を見つけて、週のうち可能な限り多くの日にその時間で練習するようにしてみましょう。いずれ定期的なセッションが楽しみになると思います。

ブラインドタッチを習得する

ステージで演奏するプロのミュージシャンを見ると、いくつか気が付くことがあると思います。最初に、彼らが演奏するとき楽器を凝視することはないでしょう。指と腕と体が、どのキーを押すか、どの弦を弾くか、どのドラムを叩くかを、深く考えること無く覚えていると思います。これは”運動記憶”として知られているもので、プロの人達だけが出来ることのように聞こえるかもしれませんが、あなたが繰り返し練習して歩いたり自転車に乗ったりできるようになったことと同じです。ライブコーダーはどこに指を動かせば良いか考えずに済むように運動記憶を使い、それによって音楽に集中するのです。これはブラインドタッチと呼ばれるもので、キーボードを見ることなくタイプすることです。

練習のヒント #2 - ブラインドタッチを習得する。ブラインドタッチを習得するためのアプリケション、ウェブサイト、さらにはゲームが数多くあります。どれか好きなものを探して、キーボードを見ずにコーディングできるまで続けてみましょう。

立ったままコーディングする

ミュージシャンの体は、それぞれの楽器を演奏するように調整されています。例えば、トランペット奏者は強く吹ける必要がありますし、ギタープレイヤーはフレットを強く握れる必要がありますし、ドラマーは長い時間繰り返し叩くことができる必要があります。では、ライブコーディングではどうでしょうか? ライブコーダーは典型的にはDJのように立ちながらパフォーマンスします。さらには踊りながらということさえあります。ライブコーディングを座ったままで練習して、ライブの際に立たなければならない場合、その違いがとても難しくイライラさせるでしょう。

練習のヒント #3 - 立って練習する。これを実現するのに最も簡単な方法は、スタンディングデスクを使うことです。しかし、もしスタンディングデスクが家に無い場合にも、いくつかローファイな選択肢があります。私はアイロン台を使っていますが、意外に使いやすいです。他にも何かの箱や大きい本を普通の机に置いて、その上にキーボードを置くこともできます。また、練習前にストレッチしておいたり、セッション中に少し踊ってみたりするのもよいでしょう。誰も見ていないので、楽しんでやってみましょう。そうすれば、ステージで緊張しなくなるでしょう。

準備の練習

多くの楽器は、演奏する前にそれを組み立てたりチューニングしたりする必要があります。あなたがバスいっぱいの会場設営スタッフを抱えるロックスターでも無い限り、ライブの前に自分の楽器を準備しなければなりません。これはしばしばストレスの掛かる作業で、問題が発生しやすいです。これに対処する1つの方法は、練習セッションの際に準備のプロセスを組み込んでしまうことです。

練習のヒント #4 - 準備を練習の重要な部分として扱う。例えば、Raspberry Piやキーボードを入れておく箱やバッグを用意します。練習セッションの前に、毎回全ての部品を取り出して接続し、Sonic Piが実行されて音が出るまでの起動プロセスを一通り作業してください。練習が終わったら、時間を取って慎重に全てを詰め直してください。これは最初は時間が掛かるかもしれませんが、あなたはすぐに何も考えずに非常に素早く準備と片付けが出来るようになるでしょう。

音楽的に実験する

音楽を作り始める準備ができたとき、どこから初めて良いか分からないかもしれません。多くの人々が直面する問題の1つは、作りたい音楽がどのようなものであるかは良いアイデアを持っていても、それを作り出すことができずにフラストレーションがたまることではないでしょうか。さらに、自分がどのような音がを作りたいか分かっていない人々さえ居ます! これらに対して第一にやることは、心配しないことです。これはミュージシャンにはよくあることで、長年練習を積み重ねたミュージシャンも例外ではありません。全く何も音を出さないよりも、好みではなくとも何か音を出すことが重要です。

練習のヒント #5 - 好みでない音を作るのに時間を使う。新しい音やアイデアの探求に時間を使いましょう。それがあなたの探しているスタイルでなくひどい音がしても気にしないようにしましょう。実験すると、あなたの好きな音や音の組み合わせに出会う機会を増えるのです。99%の音が悪くても1%があなたの新しい曲のリフやイントロになるかもしれないのです。好みでないものは忘れ、好みのものを覚えておくようにしましょう。これは、コードで音楽を作っていれば全く簡単でしょう。保存を押すだけです!

コードを聞く

多くのミュージシャンは、演奏することなしに、楽譜だけを見て彼らの頭の中で音楽を聞くことができます。これは、ライブコーディングの練習セッションに取り入れる価値のある、とても有用なスキルです。重要なポイントは、あるコードがどのような音がするかについて、何らかの理解が得られることです。その際に、必ずしも音そのものを聞こえるようになる必要はなく、その代わりに、そのコードによって、音楽が速くなるのか、遅くなるのか、うるさくなるのか、リズミカルになるのか、メロディアスになるのか、ランダムになるのか、といったことが分かることが有用です。最終的な目標は、このプロセスを逆にしたものです。つまり、頭の中で音楽を聞き、それを作るのにどのようなコードを書くべきか分かるかということです。これをマスターするのには長い時間が掛かるかもしれませんが、一度マスターすれば、ステージ上で即興演奏でき、あなたのアイデアをスムーズに表現できます。

練習のヒント #6 - Sonic Piにコードを書いてもRunを押さない。その代わり、それがどのような音を作り出すか想像してみてください。次に、Runを叩いて聞いてみましょう。何が想像した音と合っていて何が合っていなかったか考えましょう。これを、あなたのコーディングのプロセスの一部になるまで繰り返してください。私が練習するとき、普通はコードがどのような音がするか想像できています。しかし、想像していなかった音が未だに出ることがあって驚くことがあります。そのときは、そこで止まって、時間を取ってなぜ私が間違っていたか考えるようにしています。このようなことが起こる度に、私は新しい方法で自分を表現できる新しい技を学んでいます。

気が散るものを全て取り除く

練習の際の一般的な問題は、他のことに邪魔されることです。練習は、それがどのような種類の音楽(ジャズからクラシック、ダンス・ミュージック)であれ、過酷で本当の訓練を必要とします。もしあなたが練習を始めたり、進めるのに苦労しているのであれば、それはしばしばソーシャルメディアにアクセスしたり、インターネット上の何かを見るのが簡単すぎることが原因でしょう。仮にあなたが20分間の練習を目標とした場合、その20分間の間可能な限り生産的であるようにすることが重要です。

練習のヒント #7 - 練習を始める前に可能な限り気が散るものを取り除く。例えば、インターネットを切断したり、電話を他の部屋に置いたりして、不意に気をそらされない静かな場所で練習するようにしましょう。練習が終われば、またそれらの気をそらすものに戻れるので、それまでは音楽のコーディングに集中するようにしましょう。

練習日記をつける

あなたが練習している最中、気がつくと、音楽の方向、試してみたい音、書いてみたい関数など、新しい刺激的なアイデアで頭がいっぱいになることがあるかもしれません。これらのアイデアはしばしばとても面白そうなので、練習をやめてそのアイデアを作業してしまうかもしれません。これは、別な形の’気が散るもの’と言えるでしょう!

練習のヒント #8 - 練習日記をつける。刺激的な新しいアイデアが浮かんだら、一時的に練習セッションを停止し、素早くアイデアを書き留めてください。そして、そのアイデアのことは忘れて、練習を続けてください。そうすれば、練習が終わった後、そのアイデアを集中して検討したり作業できるのです。

まとめ

ここで紹介したアイデアを可能な限り取り込んだ練習ルーチンを確立するようにしてください。練習セッションは可能な限り楽しくしておくべきですが、ときには練習セッションは過酷で仕事のように感じることもあるでしょう。しかしながら、一度初めての作品を完成させたり、初めてのパフォーマンスを成功させたりしたら、練習はその価値があったと言えるでしょう。覚えておいてください、練習は成功の鍵なのです!